2014年1月8日水曜日

窯の焚き方には「あぶり」とか、いろいろあるそうですが、違いは?


Q:窯の焚き方には「あぶり」とか、いろいろあるそうですが、違いは? 
(質問箱198)

A:焚き方は温度帯によって、
  「炙り(あぶり)」、「攻め(せめ)」、「煉らし(ねらし)」があります。

1、「炙り(あぶり)」
  900度くらいまでの焚き方。
  水分を蒸発させて、本格手的な焼成に入る準備段階。まだ釉薬は溶けない。

2、「攻め(せめ)」
  900度を過ぎて、還元焼成を行なうときの焚き方。
  (酸化焼成の場合は、そのまま温度を上げる)
  登り窯の場合は、薪をくべる焚口から炎がこぼれ
  窯の内部が酸欠状態になって、窯があえいでいるような状態になる。
  まるで炎を攻めているようで、温度は上がりにくい。

  釉薬は溶けて、ガラス状になる。
  
3、「煉らし(ねらし)」、「焚き上げ(たきあげ)」ともいう。
  最高温度(1250度くらい)をキープする焚き方。
  還元焼成で出たススを切る(燃やす)ために酸化焼成する。
  粘土が焼け締まる温度帯。

  これを長時間行うことで釉薬に味が出ると言う人もいる。
  窯の上下の温度を揃えて均一に焼き上げる、という意味もある。

記事提供:津田沼陶芸教室

2014年1月7日火曜日

ロクロの天板を濡らしてから粘土を載せたのに滑るのは、なぜ?


Q:ロクロの天板を濡らしてから粘土を載せたのに滑るのは、なぜ? 
(質問箱197)

A:天板を水で濡らすから、粘土が滑るんです!

粘土玉をロクロの上でツルツル滑らせている会員を目撃しました。
「貼りつかせるには水が要ると思ったんですよ」とのこと。

ちょっとびっくりしましたが、
水で貼りつけようとした気持ちは、分かるような気もしました。

水をつけると、天板と粘土のあいだに水の被膜ができるために
滑ります。
昔、クルマと道路のあいだに水があることでタイヤが滑る
「ハイドロ・プレーン現象」というのが話題になりましたが、
まさにあの現象が起きます。

アルミの天板でも、板の天板でも、決して水は付けないでください。
乾いた天板の上に、粘土玉を載せましょう。

記事提供:津田沼陶芸教室