2015年2月24日火曜日

底の粘土がすごく厚い場合、ロクロの削りで注意することは?

Q:底の粘土がすごく厚い場合、ロクロの削りで注意することは? (質問箱244)

A:表面は削り頃になっても、中はまだ乾いていないので、二度に分けて削ります。
  

ロクロで挽いた湯飲みなどを切り糸で切るとき、
失敗してすごく厚く粘土を残してしまった。

そうした作品を削るときは2回に分けて削ります。

底に当たる場所の外側に針で線を入れます。


 
底の厚さ7ミリ、高台の高さ3ミリとすると、合わせて10ミリ。
底に当たる線から10ミリのところに線を入れます。




先ずは、ここまで削ります。
1時間ほど経てば、さっき削り出した面も「削りごろ」になります。




特に水簸(すいひ)粘土は、柔らかい状態で削ると
乾燥時に底が切れやすいので注意!

適度に乾燥していれば、削り作業には
粘土を締める(密度を高めて丈夫にする)効果もあります。

記事提供:津田沼陶芸教室

2015年2月22日日曜日

「三島(みしま)」というのは、どんな技法ですか?

Q:「三島(みしま)」というのは、どんな技法ですか? (質問箱243)

A:白化粧を象嵌して模様にする技法です。)?

室町時代の末に朝鮮半島から魅力的な茶碗が入ってきました。
紛青紗器(ふんせいさき)と呼ばれるものです。
象嵌(ぞうがん)、粉引(こびき)、掻き落とし、刷毛目など
様々な技法が施されていました。

それらの模様のうち、
象嵌模様が三島大社(静岡県三島市)から出されていた暦(こよみ)の文字に似ていたことから、
「三島手(みしまで)と呼ばれるようになったと言われています。

彫ったり、スタンプを押したりしてできた窪みに白化粧を埋め込み、
半乾きになってから模様を削り出す技法で、
削るにつれて模様が浮かび上がってきて、わくわくする楽しさがあります。




三島茶碗、ならぬ三島コーヒーカップ
写真協力:津田沼陶芸教室会員 Y.Mさん

記事提供:津田沼陶芸教室

2015年2月20日金曜日

重さですが、削ったあと、素焼き、焼き上がりで、どう変わる?

Q:重さですが、削ったあと、素焼き、焼き上がりで、どう変わる? (質問箱242)

A:「削り終わったときの重さが、焼きあがりの重さ」と覚えましょう。

日本の焼きものは手に持って使うものが多いから、
できあがりの重さを予想しながら作りましょう。
  
1、削り終わったときの重さ≒焼きあがりの重さ

  
  削り終わってからさらに水分が抜けますが、
  素焼きしたあとに掛ける釉薬の重さ(乾燥状態の重さ)が加わるため、
  両者はほぼ同じ重さになります。
  

2、素焼きの重さ<焼きあがりの重さ
  
  素焼き+釉薬の重さ(水分なし)≒焼きあがりの重さ、になります。

3、焼きあがると少し小さくなる(焼け締まる)ため、重くなったように感じることがあります。

記事提供:津田沼陶芸教室

2015年2月11日水曜日

作業中に粘土の乾くのを止める方法は? 

 Q:作業中に粘土の乾くのを止める方法は? (質問箱241)

 
 A:しばらく離れるときには、
   ポリ袋(ゴミ用)をすっぽりかぶせます。


そのままで放置すると、乾燥が進みます。

粘土が生の時点で作業する「象嵌(ぞうがん)」や「掻き落し(かきおとし)」、
三島(みしま)などの技法では、特に乾燥には注意が必要です。

作業を中断して席を離れるときは、ポリ袋ですっぽり覆っておけば
ある程度は乾燥が止められます。




この記事は津田沼陶芸教室から情報提供されています。

釉薬を手でかき混ぜるときのコツは?

Q:釉薬を手でかき混ぜるときのコツは? (質問箱240)

A:手をパーにして細かく動かすと早くほぐれますよ。

指先で掻きとるのは、労多くしてあまり効果的ではありません。

釉薬の中で手をパーに広げて、
水平に細かく振動するように動かしてみましょう。

底まで早くほぐすなら、この方法です。

砂の中に素早く潜るヒラメなどの動きを、僕はイメージします。




記事提供津田沼陶芸教室

2015年2月4日水曜日

絵付けする絵に困ったら?

Q:絵付けする絵に困ったら? (質問箱239)

A:スマートフォンで検索するという奥の手もありますよ。

下絵を用意できなかったときなど。
たとえば菖蒲(しょうぶ)の花が描きたいなら
「菖蒲 絵」で検索すると、たくさんの菖蒲の絵がヒットします。

写真の会員のように、スマホを傍らに置いてそのまま模写!





初めて目撃したときは驚きましたが、たしかに便利は便利だし、
たくさんヒットした中でどの絵を選ぶかは個人の感性といえば感性です。

できれば、画像を見ながらスケッチして、
そのスケッチを参考にして絵付けすると、自分らしい絵になりますよ。





写真協力:津田沼陶芸教室会員 W.Iさん

記事提供津田沼陶芸教室

2015年2月2日月曜日

腰痛を防ぐ椅子などありますか?

Q:腰痛を防ぐ椅子などありますか? (質問箱238)

A:バランスチェアという椅子なら長時間の作業も正しい姿勢が保てます。

ノルウェーのデザイナーグループが開発した椅子で、
座ると自然に正しい姿勢になり、背筋がまっすぐに伸びます。

僕(林)も工房用書斎用に2脚を持っています。
長時間の座り仕事でも腰痛が出ることなく快適です。
※工房の椅子のシートは鮮やかな赤ですが、汚れ防止のためジャージーを巻いています。




メーカー希望価格は4万弱ですが、
インターネットで探せば、2万7千円くらいで買うことができます。

メーカーからは何の謝礼ももらっていませんが勝手にお勧めします。


記事提供津田沼陶芸教室 

2015年2月1日日曜日

削るとき、外から見えない底の位置はどうやったら分かりますか?

Q:削るとき、外から見えない底の位置はどうやったら分かりますか? (質問箱237)

A:ひっくり返す前にフチから底までの高さと、外側のフチまでの高さを測っておきます。

まず、写真のようにフチに板を渡して、垂直に立てたモノサシで縁までの高さを測ります。
(この大鉢の場合は12.1センチ)




次に、外側にモノサシを立てて、縁までの高さを測ります。
(13.9センチ)
内側と外側の差、(1.8センチ)が、削る前の底の厚さですね。




作品をひっくり返して、内側の底に当たる位置(1.8センチのところ)に、
針で目印のラインを入れます。

次に、この作品の底の厚さの予定(8ミリ)を、最初のラインよりも(8ミリ)上に入れます。

さらにその上に、高台の高さ(7ミリ)を入れます。
以上です。




高台のラインよりも上の粘土は不要ですから、まずはここまで削ります。

記事提供津田沼陶芸教室