2015年11月14日土曜日

たたら作りの皿の底が、乾燥で持ち上がらないようにするには?

Q:たたら作りの皿の底が、乾燥で持ち上がらないようにするには? (質問箱264)

A:裏側に溝を掘っておくのも良い方法です。

底がふくらむのは、裏側が乾燥しにくいからです。
他の部分に比べて、底が柔らかいのです。

周囲の乾燥が進んで収縮するため、底の部分が周りから圧迫されます。
重さがあるために下には出っ張れません。
そのために、内側に持ち上がります。

これを防ぐには、全体を均一に乾燥させるのが理想です。
底の裏側に溝をほっておくと、その溝部分から湿気が抜けるため、
底の乾燥が早まって、底が持ち上がりにくくなります。




次はモノサシを当てて溝を掘るか、針で細い当たりのラインを入れてから彫ると
キレイな直線になりますよ。


記事提供&copyright:津田沼陶芸教室

2015年11月11日水曜日

粘土をワイヤー(またはナイロン・テグス)で切るときの鉄則は?

Q:粘土をワイヤー(またはナイロン・テグス)で切るときの鉄則は? (質問箱263)

A:ワイヤーをピンと張って、粘土の下を通して、切り上げるようにします。

ワイヤーを粘土の上から切りおろす人がいますが、これでは粘土の一番下が切れずに
作業台に残ってしまいます。

たとえば菊練りした粘土を4つに分ける場合・・・・

1、ワイヤーをピンと張って、粘土の奥から手前に(作業台から切り離すように)引きます。
  ワイヤーが粘土の中心まで来たら切り上げます。(これで2つになります)




2、ワイヤーを90度動かして、もう一度切り上げます。(これで4つになります)




※さらに8つに分けたいなら、ワイヤーを水平にして、上下をふたつに分けましょう。


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2015年11月10日火曜日

「陶芸」という言葉は、昔からあったんですか?

Q:「陶芸」という言葉は、昔からあったんですか? (質問箱262)

A:出版物に「陶芸」という文字が載った最初は昭和9年のこと、と言われています。

「陶芸」という言葉を作る作業に参加した一人が加藤唐九郎さん(1898~1985年)。

氏は瀬戸の陶芸家・陶磁史研究家で、織部、黄瀬戸、志野に優れた作品を残した。
やきものを建築物に生かす「陶壁」も、氏の造語。

文章の才にも恵まれ、サービス精神も旺盛。以下の本などは特にお勧めです!

自伝 土と炎の迷路(講談社文芸文庫)
唐九郎のやきもの教室(新潮社・とんぼの本)


 

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2015年11月7日土曜日

「陶芸」を英語で言うと何ですか? 

Q:「陶芸」を英語で言うと何ですか? (質問箱261)

A:セラミックアート(ceramic art)です。

私の教室は外壁に「TSDANUMA CERAMIC ART STUDIO」とペイントしています・
陶芸を「pottary」という人もいますが、
これは「ポットなどの陶器を作ること、陶器製造所。

「やきもので作品を作る」ことが「陶芸」だと思うので、
職人さんたちが働く「pottary」とはちょっと違いますね。

イギリス人に自分のことポッタリーだと言って作品を見せたら、
「君はポッタリーじゃなくて、セラミックアーティストだよ」と言われて、

それからは自分のことを英語では、ちょっと口幅ったいのですが、
セラミックアーティストと言っています。

     



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2015年11月5日木曜日

ロクロは自転車みたいなもんだよ、と先生が言うのはどういう意味? 

Q:ロクロは自転車みたいなもんだよ、と先生が言うのはどういう意味? (質問箱260)

A:転んでも転んでも練習してると、あるとき突然できるようになるよね、あの感じ!

基本的な技術は、とにかく身体に覚えさせるしかないんです。
どうしたら自転車を走らせることができるか、なんて、
説明するのは、たいへんだと思いませんか?
でも、しばらく転んでるうちに、理屈なんか分からないのに、突然できるようになる。

どのレベルを「できる」というかは難しいけど、
「粘土が思い通りにスルスルと上がって、背の高い湯飲みができるようになった」
というレベルなら、僕の実感としては100時間目くらいでした。


通っていた陶芸教室の先輩も、100時間くらいでコツをつかんだと言っていたので、
「100時間目に天使がほほえむ」というのは一般的に言えそうです。

身体に覚えさせること。
自転車に乗れるようになったように、ロクロもできるようになりますよ!

 

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