2014年2月18日火曜日

粘土を「締める」って何ですか?

Q:粘土を「締める」って何ですか?  (質問箱203) 

A:底が割れたり、フチにヒビが入るのを防ぐため
  粘土の粒子を密にしてやることです。


底を締めるには手で叩いたり、コテを押しつけたりします。
フチを締めるには、
水を含ませた「セーム皮(=鹿の皮)」でフチをつまむようにしてやります。
電動ロクロや、手ロクロの上で作品を回転させながら
行なうと作業がやりやすいです。

「粘土を締める」とは、粘土の粒子を密にしてスクラムを組ませること。
乾燥や焼成で、割れたりヒビが入らないようにするための先人の知恵ですね。

  記事提供:津田沼陶芸教室

足のある板皿をそのまま焼いたら歪みそう。どうする?


Q:足のある板皿をそのまま焼いたら歪みそう。どうする?
  (質問箱204)

A:「目立て(めたて)」をして、下から支えましょう。

タタラで作った板皿に足を付けたものなどは、
焼成中に歪みが出やすいですね。

「目立て」をして、下から支えてやりましょう。

「目立て」の材料は「童仙坊(どせんぼう)」という道具土。
粉末で売られていて、水を加えて粘土状にします。

「目立て」は、今回は、テトラポットのような形(高さ1.5センチくらい)に作りました。
三角おにぎりの形から、角を伸ばしてやるとできます。

     

皿の下がりそうな部分、
いちばん低くなっている中央部の下。
真ん中の下と、両端に近い部分の下に置きます。

 
 
※「目立て」は、器の底に付けないで、少しだけ離してやります。
  ぴったり付けると、逆に下から突き上げたように膨らみます。
※この写真はイメージです(笑)。
 実際は、皿に釉薬を掛けたあとで、
 「目立て」は棚板の上に置きます。

     
 
焼きあがると、皿の底に「目立て」がくっつきます。
でも、大丈夫。
道具土はもろいので、もぎ取るようにすれば
かんたんに取れます。
4本足があるので、別の足を頂点にすれば、計4回使えます!


 
取った跡は、ドリルサンダーなどできれいにします

  記事提供:津田沼陶芸教室

2014年2月15日土曜日

ロクロで挽いた皿や茶碗の底が乾燥で切れます。対策は?

Q:ロクロで挽いた皿や茶碗の底が乾燥で切れます。対策は?  (質問箱202)

A:コテで底の粘土を良く締めてやることですね。

山挽き(やまびき=ひとつの粘土玉からいくつも作品をつくること)すると、
どうしても底の粘土が締まりにくいものです。
だいたいの形ができたら、コテを底に押し当てて
粘土を締めてやりましょう。
これで、底割れが出にくくなります。



コテには様々な種類がありますが、
底の大きさ、カーブによって選びます。



取りあえずひとつ、ということなら
器と一緒に写っている楕円のコテや、丸ゴテなどが
形や大きさに関係なく使えるのでお勧めです。

※写真協力 津田沼陶芸教室・会員 Y.Mさん

記事提供:津田沼陶芸教室

2014年2月5日水曜日

陶器は「土物(つちもの)」、磁器は「石物(いしもの)」というのはナゼ?


Q:陶器は「土物(つちもの)」、磁器は「石物(いしもの)」というのはナゼ? 
 (質問箱201)

A:陶器は粘土で作ります。
  磁器は陶石(とうせき)という石を粉にしたもので作るからです。

陶芸教室の生徒だった時代に、先生に質問しました。
「粘土も、元は石だったんじゃないですか?」
こんな質問をする生徒はいなかったようで、
先生も「うーん」と考え込みました。

あとで調べて分かったことを書きます。

石(の中の長石や黒雲母)が風化して「カオリナイト」というものができて、
それが雨などで流されて堆積したのが粘土。
その粘土で作るのが陶器。

 
 
 



いっぽう磁器は、
陶石を砕いて粉にしたものに水を加えて練ったもの、「磁器土(じきつち)」で作ります。
磁器土は磁土(じど)とも呼ばれます。
「石物」とは言われますが、そのへんの石を砕いて粉にしても、磁器にはなりませんよ。





記事提供:津田沼陶芸教室

2014年2月1日土曜日


Q:カメ板の中心に粘土を載せる方法は? 
 (質問箱199)

A:筆と水を用意してください。

電動ロクロでも、手ロクロでもそうですが、
ロクロの上にカメ板を載せると、どこが中心か分かりにくいですね。

筆に水をつけて、カメ板の上に円を描きましょう。
(粘土玉の直径よりも少し大きめの円を描いてください)


 

      
水筆の跡の真ん中に粘土を載せてやれば・・・
ほら粘土玉が中心に載ります!

写真協力:津田沼陶芸教室会員のM.Hさん。

記事提供:津田沼陶芸教室

コンプレッサーで釉掛けしたあと注意することは?

Q:コンプレッサーで釉掛けしたあと注意することは?  (質問箱200)

A:中指の指紋がある部分で、やさしく均(なら)しましょう。

コンプレッサーで施釉すると、釉薬が少しずつ降り積もるように掛かります。
彫りの文様などがある場合は、溝に釉薬が入っていないことがあります。

また、素焼き作品が水分を吸ったときにできた気泡が
釉薬の下に残っていることもあります。
プクッとふくらんでいて、釉ハゲの原因にもなります。

中指の指紋がある部分で、釉薬のかかった部分をやさしく、ていねいに均します。
擦り傷に薬を塗りこむように、渦を巻いて擦り込むと、溝にも釉薬が入ります。

※写真は、彫り文様(つわぶき)に石灰透明釉を掛けた作品。
 ていねいに10分ほど掛けて擦りこみました。





記事提供:津田沼陶芸教室