2013年12月25日水曜日

削りのとき器の縁がつぶれます。対策は?


Q:削りのとき器の縁がつぶれます。対策は? (質問箱196)

A:口が水平なものなら
  ロクロの天板の上に粘土の「枕(まくら)」を敷いてやりましょう。

電動ロクロでも、手ロクロでも、天板の上に直接作品を置くと
せっかくきれいに整えた縁が変形してしまいます。

そこで、粘土をヒモにして、器の口径に合わせて天板に載せます。

指で軽くたたいて平らにします。
弓を当てて一周させると、厚さがそろいます。



※そのさい、弓を倒す角度によって粘土の厚さが変わります。
 粘土は薄くても問題ありません。

粘土の枕に針で2、3本線を引いてやれば
器をカンタンに中心に据えることができます。



写真協力:須田沼陶芸教室 会員 Y.Hさん

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年12月22日日曜日

使っているうちに高台がポロッと欠けた!欠けない作り方は?


Q:使っているうちに高台がポロッと欠けた!欠けない作り方は? (質問箱195)

A:高台の角を直角のままにしないで、角を落としてやれば掛けにくくなります。

水簸(すいひ)した粘土など、粒子が細かいものは欠けやすい傾向があります。
写真のように、高台を直角のままにしておくと、何かにちょっと当たったくらいのことで
欠けることがあります。




高台の一番下の部分(いわゆる「畳付き」)には、ふつう釉薬を掛けません。
粘土がむき出しになるため、衝撃に弱い部分です。

下の写真のように、カンナで角を落してやると欠けにくくなります。



直角のままにしたいなら、高台の角を人差し指でぐるっと撫(な)でておくだけでも
粘土がしまって欠けにくくなります。

★陶芸初心者さんの質問箱
「質問箱104」Q:「土殺し(つちごろし)」と「芯出し(しんだし)」はどう違いますか?を改定しました。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年12月19日木曜日

ロクロで「水を使いすぎ」と言われます。どうすればいい?


Q:ロクロで「水を使いすぎ」と言われます。どうすればいい? (質問箱194)

A:ハケで水を補給しましょう。

スポンジで水を垂らすと、初心者のうちは水を使いすぎます。
芯出し(土殺し)のときには多めの水が必要ですから、スポンジを使いましょう。

そのあとは、すべりを良くするための水ですから
ハケで十分です。




ボウルの水をハケに含ませて、回転する粘土に当てます。
適度の水が補給されて、指と粘土の摩擦がなくなります。

指に抵抗を感じたら、そのつどハケを使います。

※水を使いすぎると、粘土がヘタりやすくなったり、
 底に水が残って切れる原因にもなります。


★陶芸初心者さんの質問箱 「質問箱178」 、 「質問箱86」を改定しました。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年12月13日金曜日

「釉ハゲ」が出たのに、先生は「面白い!」と言います。なぜ?


Q:「釉ハゲ」が出たのに、先生は「面白い!」と言います。なぜ? (質問箱193)

A:工業製品なら「不良品」かもしれませんが、
  作品は「面白い!」と思えるものができれば良いのです。

たとえば桃山時代に作られた「国宝」や、名品と言われるものをよく見ると
釉はげや釉ちぢれなどが出ているのをよく見かけます。

国宝の「井戸茶碗・喜左衛門(きざえもん)」に見られる「梅花皮(かいらぎ)」だって、
あえて言えば、釉はげの一種です。
16世紀の朝鮮・李朝時代の陶工が、庶民のために焼いたご飯茶碗です。
意図したものではないはずです。

それらの一見すると欠点に見えるものさえも、美しさの魅力を損なうものではなくて、
むしろ魅力に感じられることが多いものです。

工場で作る製品には、こうした「欠点」はあってはならないものでしょう。
でも、作品作りは、「何を作ろうとしているか(つまり「創意」)」が
キチンと表現できていれば良いと思うのです。

欠点のない女性よりも、欠点がある女性の1点輝く美点はとても魅力的。
説明になっているでしょうか。




※写真は、国宝の「井戸茶碗・喜左衛門(きざえもん)」
(根津美術館の展覧会HPから。コピー不可の処理がされていなかったので拝借しました)

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年12月11日水曜日

焼きあがった作品にできた「釉はげ」や「釉ちぢれ」。原因は何?

Q:焼きあがった作品にできた「釉はげ」や「釉ちぢれ」。原因は何? (質問箱192)

A:どこかの段階で、素地から釉薬がはがれたことが原因です。





釉はげ(釉メクレともいう)や「釉ちぢれ」を予防するための方法。

1、素焼きされた作品に、手の脂(あぶら)やホコリを付けないこと。
 
  不用意に触らないこと。手を洗ってから作品に触る。
  スポンジの水をよくしぼって、ぬぐうようにホコリを取る。

2、釉薬を何度も掛けないこと。厚く掛けないこと。
  
  気泡で釉薬にプツプツしたふくらみができたら、指先で押さえて空気を抜く。

3、釉を掛けたあとにできるピンホールを、そっとなでて均しておく。

以上のことを詳しく知りたい人や
焼く前や、焼くときの注意については、「陶芸の知恵袋104」を参照してください。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年12月1日日曜日

焼くとき、途中まで窯のフタを開けておくのはナゼ?(改定版)


Q:焼くとき、途中まで窯のフタを開けておくのはナゼ? (質問箱191)

A:粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。



素焼きや本焼きをするとき、昇温の途中まではフタを少し開けておきます。
粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。

最初から閉めきった状態で焼くと、窯の鉄部分が、錆(さび)やすくなります。
また作品に変色が見られたりします。

私(林)の場合は、電気炉なら530℃を越えるまでは、7センチほどフタを開けておきます。

水分なら100℃で水蒸気にりますが、粘土の中に分子の状態で含まれている水(H2O)は
530度くらいで水蒸気になるそうです。

水分がすべて窯から逃げるのを待って、
550度から600度くらいになってから、フタを完全に閉めます。
その温度になったらフタを閉めます。

ガス窯でも同様で、
600度くらいで、窯の天井にある蒸気を逃がす口を閉じます。

いま、518度なので、もう少ししたらフタを閉めます。





記事提供:津田沼陶芸教室