2013年12月13日金曜日

「釉ハゲ」が出たのに、先生は「面白い!」と言います。なぜ?


Q:「釉ハゲ」が出たのに、先生は「面白い!」と言います。なぜ? (質問箱193)

A:工業製品なら「不良品」かもしれませんが、
  作品は「面白い!」と思えるものができれば良いのです。

たとえば桃山時代に作られた「国宝」や、名品と言われるものをよく見ると
釉はげや釉ちぢれなどが出ているのをよく見かけます。

国宝の「井戸茶碗・喜左衛門(きざえもん)」に見られる「梅花皮(かいらぎ)」だって、
あえて言えば、釉はげの一種です。
16世紀の朝鮮・李朝時代の陶工が、庶民のために焼いたご飯茶碗です。
意図したものではないはずです。

それらの一見すると欠点に見えるものさえも、美しさの魅力を損なうものではなくて、
むしろ魅力に感じられることが多いものです。

工場で作る製品には、こうした「欠点」はあってはならないものでしょう。
でも、作品作りは、「何を作ろうとしているか(つまり「創意」)」が
キチンと表現できていれば良いと思うのです。

欠点のない女性よりも、欠点がある女性の1点輝く美点はとても魅力的。
説明になっているでしょうか。




※写真は、国宝の「井戸茶碗・喜左衛門(きざえもん)」
(根津美術館の展覧会HPから。コピー不可の処理がされていなかったので拝借しました)

記事提供:津田沼陶芸教室

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