2013年11月29日金曜日

焼くとき、途中まで窯のフタを開けておくのはナゼ? 

      
Q:焼くとき、途中まで窯のフタを開けておくのはナゼ?  (質問箱191)

A:粘土や釉薬に含まれている水分を窯の外に逃がすためです。




素焼きでも本焼きでもそうですが、
水分を逃がさないで焼くと、窯の鉄部分が、錆(さび)やすくなります。
また作品に変色が見られたりします。

私(林)の場合は、電気炉なら530℃になるまで7センチほど開けておきます。
水分なら100℃で蒸気になるはずです。
それなのに高温になるまで開けておくのは、粘土の中に分子の状態で含まれている
水(H2O)が蒸気になるから(これは本からの知識です)。

水分がすべて窯から逃げるのが530度と言われるので、
その温度になったらフタを閉めます。

ガス窯でも同様で、
530度になったら窯の上部の、蒸気を逃がす口を閉じます。

いま、518度なので、もう少ししたらフタを閉めます。




記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月26日火曜日

サイズの違う丸い型がほしい。どうする?

      
Q:サイズの違う丸い型がほしい。どうする?  (質問箱190)

A:発泡スチロールのこんなのは、いかが?

縁が持ち上がった板皿をつくるとき、型があればラク。
東急ハンズに行ったとき、ブラブラ見て回っていたら、
こんな半球形のものがありました。




入れ子になっているので、場所を取らない。



小さいのは中心にへこみがありますが、
セロハンテープを貼れば問題ナシ。

たしか、4つで¥1,500くらいだったと記憶しています。
本来は何に使うものかは不明です。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月25日月曜日

板皿を乾燥させるときの支えは、粘土がベスト?

      
Q:板皿を乾燥させるときの支えは、粘土がベスト?  (質問箱189)       

A:私(林)は、ジャージーの布をグルグル巻いて支えにします。

乾燥の途中で縁がヘタったり、脚付きの場合は底が落ちたりしやすいですね。
粘土で支える人が多いのですが、乾燥した粘土を再生するのは面倒です。

私は、生地屋さんで売っているジャージー布を使います。
30センチ角くらいの大きさの布をクルクル巻いて、支えにします。




ヘタりやすい縁の部分には、ジャージー布の下にもうひとつ支えを入れます。
それは、乾燥の途中でひびが入ってしまった湯飲みなどを利用します。
割ってできる破片をジャージー布の下に入れます。




布でふんわりと支えるため、形も伸びやかになります。




※写真は脚付きの皿です。
 脚のない板皿も、ジャージー布を巻いたもので縁を支えます。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月24日日曜日

竹串などで模様を彫った。バリ取りは、いつ、どうする?


Q:竹串などで模様を彫った。バリ取りは、いつ、どうする?  (質問箱188)

 
A:完全乾燥してから、乾いたスポンジで取りましょう。




半乾燥したときに、竹串などで彫った溝には、「バリ」が出ます。
「バリ」とは、線の両側にはみ出した粘土です。

乾ききっていないときに取ろうとすると、汚くなります。

完全乾燥してから取ります。
乾いたスポンジをしっかり丸めて、拭(ぬぐ)うように
バリにこすりつけます。

粘土のホコリがたくさん出るので、
溝を小箒(こほうき)できれいに掃除します。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月22日金曜日

タタラを作ったら、粘土のクズが付いてきた!どうする?

Q:タタラを作ったら、粘土のクズが付いてきた!どうする? (質問箱186)

A:ヘア・ドライヤーを軽く当てると、クズが先に乾いて剥(は)がせます。

2本のワイヤーを撚(よ)って作った切り糸などで切ると、
タタラに面白い模様が出せます。
でも、粘土クズが出て、汚くなることもあります。



そんなときは、ドライヤーで温風を当てて、少し乾かします。



タタラから浮いたクズだけが先に乾くので、針の先で剥がせます。
粘土クズが白くなったときが剥がし時。




記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月20日水曜日

ロクロでの削り。器を粘土で固定する方法は?

Q:ロクロでの削り。器を粘土で固定する方法は?  (質問箱185)

A:しっかりと固定できて、器の縁を傷つけない方法はこれ!

まず、人差し指くらいの太さの粘土ヒモを作ります。
4センチほど千切って、両端を整えます。
(慣れれば、粘土の塊から適当な量を取ってもかまいません)



器をロクロの天盤の中央に載せます。
先ほどの粘土を、親指、人差し指、中指の3本でつまんで、
人差し指で押さえます。
押さえる位置を手前に移動しながら、4回ほど押します。



粘土が伸びて、長い範囲をカバーできます。

器の縁3か所を止めて固定させたら削り作業を始めます。

※人差し指で押さえるのは、縁の外側5ミリほどの所です。
 器の縁を押さえる人がいますが、歪みの原因になります。
 
※器の縁に粘土の壁を作って支える、と考えましょう。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月14日木曜日

タタラでつくった皿の底が切れやすい。どうする?


Q:タタラでつくった皿の底が切れやすい。どうする? (質問箱184)

A:スライスした粘土を、もういちど麺棒でのして(伸ばして)やりましょう。

たとえば厚さ5ミリのタタラを作るなら、まず厚さ7ミリでスライスします。



その厚さ7ミルのタタラを作業台に移動させます。
厚さ6ミリのタタラ板を両側に敷いて、麺棒でのします。



さらに厚さ5ミリのタタラ板を粘土の両側に置いて、麺棒でのせば
(6ミリのときとは板の位置を90度変えます ※注)
厚さ5ミリのタタラができます。




※注 粘土を縦方向に伸ばしたあと、横方向に伸ばします。
 そうすることで、粘土の(粒子の)キメがそろって、切れにくくなります。

 写真協力:津田沼陶芸教室会員のCWさん

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月12日火曜日

自宅でも粘土を練りたいけど、テーブルの上でできる?


Q:自宅でも粘土を練りたいけど、テーブルの上でできる? (質問箱183)

A:すべり止めネット(シート)を敷いて、その上に板を置けばOKです。



ホームセンターやスーパーで売っている「すべり止めネット」を
適当な大きさに切ります。
その上に板を載せれば、土練り台のできあがり。



板は45×45センチ以上あると、練りやすいです。

テーブルを傷つけず、土練りや、その練習ができます。
ただしテーブルはグラグラしない、
しっかりした造りのものでやりましょう。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月10日日曜日

タタラにするための粘土ブロックを、キレイな直方体にするには?

Q:タタラにするための粘土ブロックを、キレイな直方体にするには?  (質問箱182)

A:上からたたくだけでなく、同時に横からもたたけば、角ができます。

角皿など作るには、立方体にしておくとムダが少ないですね。

1、上からたたいただけでは丸く広がるので、
  上からと横からと、同時にたたきます。
  上からも横からも、たたくのは手の平です。
  
  

     粘土の左側(自分から見て)をたたくときは、左手は横から、右手は上から。
 

  














    右側をたたくときは、左手は上から、右手は横から。















2、粘土を起こして
  側面を作業台でトントンとやって、平らにしたり
 
3、ひっくり返したりすると・・・・
キレイな直方体や立方体ができます。

写真協力:津田沼陶芸教室会員のCWさん


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月7日木曜日

焼いたら釉薬が高台まで垂れてしまった。どうする?


Q:焼いたら釉薬が高台まで垂れてしまった。どうする? (質問箱181)

A:たくさん垂れた場合はベンチ・グラインダーを使います。




  少量なら、ミニ・グラインダーで処理します。





釉薬は胎土(焼いた粘土)よりも固くて、削るのに苦労します。



ベンチ・グラインダーの回転する砥石に、余分な釉薬部分を押しつけて

※ついうっかりして手袋を忘れました! 熱を持った破片が飛んでヤケドすることがあります。
 ガラス質の釉薬で指をケガすることも。
 皮の手袋を着用のこと!





キレイになりました。



垂れが少量なら、ミニ・グラインダーでOKです。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月6日水曜日

粘土を一枚だけタタラにしたいとき、どうする?


Q:粘土を一枚だけタタラにしたいとき、どうする? (質問箱180)

A:布の中に片栗粉を入れてヒモで結んだ、「テルテル坊主」を用意します。



今回はサンマ皿を作りたい、ということなので
細長いタタラをつくりました。

1、作業台の上で「テルテル坊主」をたたいて片栗粉を薄くまきます。
  ※片栗粉をまいたために、タタラ粘土が作業台に貼りつかない!

2、極太の粘土ヒモを作って、たたいて少し平らにする。

3、粘土の両側に、7ミリのタタラ板を置いて

4、麺棒で、のします。



5、タタラ粘土の端をそっとつまんで、新聞紙を敷いた板の上に移します。


6、竹ベラなどで好みの形に切って成形します。

※3と4を慎重にやるなら・・・
 10ミリのタタラ板を置いて縦方向にのしたあと、
 粘土をひっくり返して、9ミリのタタラ板でのします。

 さらに8ミリのタタラ板で横方向にのしたあと、
 7ミリのタタラ板でのします。

 つまり、ひっくり返したり、方向を変えたりしながら薄くすることで
 粘土の粒子を均一にします。 こうしておくと反(そ)りや歪みが防げます。


写真協力:津田沼陶芸教室 受講生のNIさん

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月5日火曜日

釉掛けでできた指あとの補正は、どうする?


Q:釉掛けでできた指あとの補正は、どうする? (質問箱179)

A:含みの良い筆をつかって補正します。

1、ポイントは、塗らないこと。そっと「渡すように」釉薬を置きます。
  塗ろうとすると、どうしても釉薬が薄くなります。




2、補正した部分のデコボコが目立つようなら、
  ナイフか剣崎の刃で出っ張った部分を削ります。



3、さらに指先で、そっと均してやります。
  ※強くやりすぎて、釉薬が剥がれるのをよく見かけます。
   やさしくなでることが大切。

※釉薬のデコボコが焼いたあとも目立つのは、石灰をつかった釉薬です。
 ていねいに補正しましょう。
 灰を使った釉薬なら目立ちません。
 目立つところ以外はそのままでもかまいません。

 灰を使っているのか、石灰を使っているのかは、
 釉掛けのとき先生に聞いてみてください。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年11月4日月曜日

ロクロの上で粘土がブレます。どうすればいい?


Q:ロクロの上で粘土がブレます。どうすればいい?  (質問箱178)

A:1、右手は手で押すのではなくて、肩で押す。

  2、手の位置は、右手がやや手前。その対角線上に左手を置く。

  3、両手は指先まで粘土を包み込むこと。

芯出しのとき、あるいは途中で粘土がぶれたとき。
安定させようとすればするほどブレてしまう人が多いですね。
私は上のアドバイスをしています。

1は、押し相撲の腕の形を想像してください。
 手で押すというより、肩で押す感じ。
 少ない力で粘土を抑え込むことができます。

2は、肩で押すとき、いちばん力が伝わる位置です。




※粘土に力を加えるのは、右手の手のひらの左下部分



 
3は、粘土を手の中で(中心で)回転させるため。
 左手は指先まで粘土に触れていること。
 右手は左手の指の上に重ねる。

 
※言葉ではなかなか説明しにくいのですが、
 手指を安定させることや、ムダなく力を粘土に伝えること。
 これらの先人の工夫は、工学的、力学的にもじつに合理的です。
 (まさにロボット工学だなぁ、なんて感動することもたびたびです)

 そんなこともアタマの片隅におくと、ロクロの上達も早いでしょうね。

記事提供:津田沼陶芸教室