2013年9月30日月曜日

教室で使える下絵具は何種類ありますか?

 
Q:教室で使える下絵具は何種類ありますか?  
(質問箱162)

A:釉薬の下で発色させる絵具を「下絵具」と言いますが、
  教室では16種類の下絵具が使えます。



写真の色見本は13種類。
代表的な石灰透明釉「3号釉」を掛けて焼いたもので、
上段が酸化、下段が還元焼成したもの。

そのほか黒や茶黒に発色する「鉄絵具(てつえのぐ)」や、
紺に発色する2種類の「呉須(ごす)」が使えます。

ちなみに、上に掛ける釉薬が違えば発色は変わります。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月29日日曜日

酸化と還元ではまったく違う色に焼き上がるって、ほんと?

 
Q:酸化と還元ではまったく違う色に焼き上がるって、ほんと?
 (質問箱161)

A:まったく違う色になる釉薬と、あまり変わらないものがあります。

まったく違う色になる代表は織部釉です。
写真の左が酸化(緑色)、右が還元(赤色)です。




織部釉は銅で発色させる釉薬です。
酸化では、神社の銅製の屋根にできる緑青(ろくしょう)の色。
還元では赤い色。銅が「あかがね」と呼ばれるのがうなずけます。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月28日土曜日

短期集中コースで、両親へのブライダルプレゼントが割れて焼きあがったら?


Q:短期集中コースで、両親へのブライダルプレゼントが割れて焼きあがったら? (質問箱160)

A:お茶碗の底割れには、気をつかいます。「割れる」「壊れる」は禁句ですから。

割れを防ぐには、作るときによく底を締めることですね。
アドバイスどおりに作ってくださったら、まず割れることはないのですが・・・。
婚礼には「固めの杯」という儀式がありますが、
器も底をしっかりたたいて固めましょう。

今まで、ブライダルプレゼントのお茶碗が割れた経験はありませんが、
もしも割れてしまったら・・・・
いっしょに作った私(林)のお茶碗を差し上げるしかないでしょうね。
でも、やはりご自分が時間とこころを込めた作品がいちばんです!

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月26日木曜日

粘土に丸い穴をあけるのに良い道具は?

 
Q:粘土に丸い穴をあけるのに良い道具は?
 (質問箱159)

A:電動ドライバー用のドリル(の刃先)がいちばんです!

ただし穴をあけるのは、固くなるまで待ちましょう。
半乾燥の状態で、高台を削り出したあとですね。

穴をあける部分に刃先を当てて、指先で回転させます。
これできれいな穴があきます。

ポンスを勧める人もいますが、中に粘土がつまって面倒。
ドリルの刃がいちばんです!

写真は、
糸を通す穴をあけた風鈴と、ドリルの刃





記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月25日水曜日

Q:「土灰(ドバイ)釉」の、「土灰」ってなんですか?

 
Q:「土灰(ドバイ)釉」の、「土灰」ってなんですか?
 (質問箱158)

A:単一の木の灰ではなく、雑木の灰という意味です。

「中東のペルシャ湾岸のドバイに生えてくる木の灰」
・・・教室で聞かれると、ついつい答えてしまいますが、
本気にしないように。

松灰、樫灰、栗皮灰、柞(いす)灰など、単一の灰を使ったものではなく
さまざまな木の灰が混ざった灰です。
以前は囲炉裏(いろり)でできた灰を買い取っていたそうです。
家の中で暖を取る囲炉裏なら、様々な木を燃やしますね。

かつては、年寄りがいる家の囲炉裏から、上質の土灰を仕入れたそうです。
火箸で良くかきまぜてあるため、燃え残りのない良い灰ができる。
ゆったりとした時間が流れていた日本の家屋。
僕(林)の好きな話です。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月24日火曜日

松灰を使った釉薬と、柞(いす)灰を使った釉薬で色が違うのはナゼ?

 
Q:松灰を使った釉薬と、柞(いす)灰を使った釉薬で色が違うのはナゼ?
 (質問箱157)

A:灰を使った釉薬を灰釉(かいゆう)と呼びますが、
  元の樹木の種類によって、含まれる成分が違います。
  そのために、釉薬の色や風合いに違いが出ます。

松は鉄分が好きで、土壌の中からたくさん鉄分を吸い上げます。
ですから松を燃やすと、鉄分の多く含まれた灰が採れます。
松灰を使ったビードロ釉は、緑の発色で、これは鉄分によるものです。

染付けの釉薬に使われるのは、柞(いす)の木を燃やした柞灰。
鉄分を好まない木なので、色のつかない透明な釉薬になります。

植物は、それぞれ自分の好きなものを地球から吸収しているんですね。
『「個性」とは、周囲から何を吸収するか』ということかもしれません。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月23日月曜日

高台の削りで気をつけることは何?

 
Q:高台の削りで気をつけることは何?
 (質問箱156)
 

A:器の底の厚みを同じにすることを意識して削ります。

器の底の形を想像してください。底の中心がいちばん低いですね。

ですから削りのためにひっくり返した状態で考えると
高台の中心がいちばん高く、高台の内側の縁は中心よりも低く、
高台の外側の縁はさらに低い。
以上を意識して高台まわりを削りましょう。



器の底の厚さが均一になって、乾燥で割れにくく、
また腰にも余分な粘土が残らないので、
軽くて手取り(手に持った感じ)が良くなります。



記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月21日土曜日

筆で文字を書きたいのですが、うまくいくでしょうか?

 
Q:筆で文字を書きたいのですが、うまくいくでしょうか?
 (質問箱155)

A:半紙に書くのと違って、筆のすべりは悪いですが、
  釉薬の働きによって生まれる滲(にじ)みや色の変化など、
  思いがけない効果が楽しめます。

見学に来られた書家の方からの質問です。
江戸時代の「陶芸家」尾形乾山(おがたけんざん)などは
やきものに多くの詩文を書いています。
兄の尾形光琳と組んで、兄が絵を、弟が書を書いたものも
残っています。⇒「銹絵寿老人図角皿」(MOA美術館蔵)など

こちらは私(林)がぐい飲みに書いた「ひ」という文字ですが、
窯から出てきたときの思いがけない発色を楽しめるのも、
やきものならではの面白さです。





記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月19日木曜日

釉薬掛けで、大きな作品ほど短時間浸すよう言われたのはナゼ?

 
Q:釉薬掛けで、大きな作品ほど短時間浸すよう言われたのはナゼ?  
(質問箱154)

A:作品に厚みがあるほど、釉薬が厚く掛かるからです。

  素焼きした粘土には吸水性があって、
  そのために作品の表面に釉薬が付着します。

  厚みのある作品ほど、吸水性があるため
  釉薬が厚く掛かります。

  厚さの違う2つの作品に同じ厚みで釉薬を掛けたい場合は、
  薄い作品は長めに、厚い作品は短めに釉薬に浸すようにします。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月18日水曜日

体験レッスンでも先生が直接教えてくれるんですか?

 
Q:体験レッスンでも先生が直接教えてくれるんですか?
 (質問箱153)
 

A:体験レッスンの方にも主宰(林)が直接教えています。

  
体験レッスンに行ったけど、教えてくれたのは
  アシスタントの人だった、という話をよく聞きます。

  小学一年生の担任にはベテランの先生がなるように、
  未経験の方こそ、経験を積んだ人が陶芸の楽しさを教えるべきだと思っています。

  当教室には、現在アシスタントはいません。
  将来、アシスタントを頼むことになっても
  体験レッスンは、私(林)が担当しようと思っています。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月17日火曜日

粘土は、どんなふうにしてできたんですか?

Q:粘土は、どんなふうにしてできたんですか?  (質問箱152)

A:粘土のもとは岩なのだそうです。

  岩石の中の鉱物が、風化や熱水作用などによって分解されて
  残った細かな微粒子の集合体。それが粘土です。
  カオリナイトなどの珪酸アルミが主成分。
  (岩石中のほかの鉱物は、風化などで溶けてなくなるそうです)

  雨のあと3日経っても水たまりが残る場所の
  下には粘土があると言われます。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月15日日曜日

底の乾燥が進んで高台がカンナで削れません。対策は?

 
Q:底の乾燥が進んで高台がカンナで削れません。対策は?
 (質問箱151)
 

A:乾燥部分に湿気を与えてやれば柔らかくなります。
  ただし白く乾燥してしまっていたら諦めましょう。

器の底部(外側)を2秒ほど水に浸します。

水で濡らして軽く絞ったお手拭の上に、器をのせる。
はみ出したお手拭を器の周囲に巻きます。

そのまま1時間ほど置きます。
柔らかくなったか、ときどきチェックします。



口の乾燥が進み過ぎるようなら、
ビニール袋に入れて密封します。



記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月13日金曜日

粘土でタタラをつくるとき、適当な厚さの板がない。どうする?

 
Q:粘土でタタラをつくるとき、適当な厚さの板がない。どうする?
(質問箱149)

A:タタラ板の厚さは、3ミリ、5ミリ、7ミリ、10ミリ、などがありますが、
  たとえば8ミリ厚の粘土にしたい場合は・・・「3ミリ+5ミリ」
  二枚の板を重ねて使いましょう。



当りまえといえばそうですが、意外に思いつかないものです。
板の数字は厚さ(ミリ)。

タタラ板は陶芸材料の店で買うと高いですが、
ホームセンターの木工コーナーなら、ずっと安価で手に入ります。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月10日火曜日

呉須(コバルト)で濃淡を付けて描くときの注意点は?

 
Q:呉須(コバルト)で濃淡を付けて描くときの注意点は?
 (質問箱148)

A:濃淡を使ってメリハリを付けたいときは、淡い(薄い)方から描きましょう。

  たとえば、野菊を描く場合、葉は薄い呉須で描いて、
  あとから濃い呉須で葉脈を入れます。




  順序を逆にすると、
  薄い呉須で描くときに、先に描いた濃い呉須をこすってしまうため
  汚れたようになってしまうから。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月9日月曜日

自宅で作った作品に掛けたいので、白化粧を売ってもらえますか?

 
Q:自宅で作った作品に掛けたいので、白化粧を売ってもらえますか? 
(質問箱147)

A:教室で調合した白化粧を、実費でお譲りすることができますよ。

 
 基本的には教室で作業していただきますが、
  自宅でも作業したいという熱心な会員さんにはお譲りしています。

  生化粧の場合は、掛けるタイミングが大切なので、
  希望があれば持ち帰りもOKにしました。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月8日日曜日

削りのときにあったら良い道具、ありますか?

 
Q:削りのときにあったら良い道具、ありますか? 
(質問箱146)
 

A:カンナのほかに、手製の、和小箒(わ・こほうき)がひとつあれば便利。
  座敷用の箒(ほうき)をバラして、親指ほどの太さに束ねて
  ヒモで巻いてむすんだもの。





 

  削り終わったクズが、高台の内側に残りやすいので、
  この箒で、さっと落としておくと
  釉掛けの前のバリ取りが、だんぜんラクです!



記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月7日土曜日

皿(手びねり)の底が乾燥時に割れます。対策は?

 
Q:皿(手びねり)の底が乾燥時に割れます。対策は?
 (質問箱145)

A:底になる粘土を、よく締めましょう。

  
特にタタラ(粘土を板状にスライスしたもの)で底を作って、
  そのあとヒモ作りした皿に割れが出ることが多いです。

  底をタタラでつくる場合、
  ボール状の粘土を用意して、手で叩いて適当な厚さにしましょう。

  形をととのえる段階でも、底をよく締めて粘土の粒子を密にすると
  割れにくくなります。


記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月6日金曜日

赤い撥水剤(スペーター)を使った筆は、洗剤で洗いますか?

 
Q:赤い撥水剤(スペーター)を使った筆は、洗剤で洗いますか?
(質問箱144)

A:よく聞かれるのですが、洗う必要はありません。




 
 洗剤をつけてよくもめば撥水剤が取れるという話を聞きますが、
  なぜ洗う必要があるのでしょう。

  スペーターが乾けば、ほかに付着付することはないので、
  カップなどに立てかけておけば問題ありません。

  次回使うときに筆をスペーターにひたせば、すぐに使えますよ。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月5日木曜日

湯飲みやお茶碗のフチ、薄いのは良くないですか?

 
Q:湯飲みやお茶碗のフチ、薄いのは良くないですか?
 (質問箱143)

A:口縁(こうえん=フチのこと)があまりにも薄すぎると
  釉薬が乗らないためにザラッとして口当たりが悪くなります。



  山の尾根に木が生えないのと同じで、
  するど過ぎるフチは釉薬がずり落ちてしまいます。
  皮を当てて少し丸みを持たせましょう。

  唇を付けない器なら、
  好みでどんなに薄くしてもかまわないでしょう。
  

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月4日水曜日

教室のコーヒーは「ご自由に」ですが、なぜ紙コップなんですか?

 
Q:教室のコーヒーは「ご自由に」ですが、なぜ紙コップなんですか?
(質問箱142) 

A:日本人にはお茶碗やカップは、「自分のもの」という意識があります。
  他の人が使ったカップに口を付けるのには
  抵抗があるのではないでしょうか。




  
アメリカの撮影スタジオや編集スタジオに漂っている
  コーヒーの香りや、カップを手に談笑している雰囲気が好きなので、
  教室でも会員には自由に飲んでもらえるようにしています。

  陶芸教室で紙コップ?と思われるかもしれませんが
  清潔第一、ということと、
  日本人の心理的なものも考えました。

  ご自宅では、ご自分の作ったカップでコーヒーを愉しんでください。

記事提供:津田沼陶芸教室

2013年9月1日日曜日

タタラにした粘土を切る道具は?

 
 Q:タタラにした粘土を切る道具は?  
(質問箱141)

 A:ふつうは竹ベラ、木ベラ、剣先などで切りますが、
   ピザ・カッターもなかなか重宝!



   粘土にタタラ板を当てて、
   竹ベラ、木ベラ、剣先などで切るのが一般的ですが、

   フリーハンドでゆったりした曲線に切りたいときなど
   キレイに切れます。
   また、剣先ほど鋭くないので、下に敷いた板も痛めません。

記事提供:津田沼陶芸教室